- ホームページ担当になったけど、どんな文章を書いたらいいかわからない
- 園の魅力を最大限伝える文章を書きたい
- 日々のお知らせを保護者の方にわかりやすく伝えたい
みなさん、こんにちは。
デザイナーの山本です。
デザイナーと言いつつも、今回はライティング――つまり文章を書くためのお話をします。
幼稚園・保育園・認定こども園のホームページ担当のみなさん(園長先生だったり、若い先生だったり、事務の方だったり)、本業で忙しい中、合間を縫って文章を書くのって大変ですよね。
- ホームページリニューアル時の原稿作成
- 入園案内や未就園児教室の情報更新
- 日々のお知らせやブログ記事の投稿
でも、ホームページにとって文章はとても大事な要素です。
ほんの些細な表現の違いで、読み手に与える印象は大きく変わってしまいます。
今日は、せっかく時間をかけて書いた文章が、少しでも良い文章になるコツをご紹介いたします。
あなたの園のホームページを見てくれた人に、魅力がちゃんと伝わるように、一緒に学んでいきましょう!
「なぜこの記事を書こうと思ったのか」の背景に興味がない方は、目次から「書き方のコツ」をクリック!
ホームページは文章が大事
近頃、ホームページ界隈では『コンテンツファースト』という言葉をよく耳にします。
ここで言うコンテンツとは、文章・動画・図・写真など、ホームページに掲載される情報のこと。
つまり、デザイン(見た目)が重要視されていた時代から一変して「どんな情報を見て(読んで)もらうのかを第一に考えよう」と変化したのです。
なぜそういう傾向にあるのか。例えば……
- スマホの普及
→スマホの小さい画面では凝ったデザイン表現がしにくい - ネット通販の普及
→間違った商品を買わないために説明文や写真をよく読み込むようになった - 検索順位に大きく影響する
→ホームページに掲載されている情報の良し悪しで検索順位が大きく変わる仕組み
上記のような理由が考えられます。
保護者の方は大切な子どもの入園先を探すために、近隣の園のホームページをスマホでいくつも見比べます。
そのときに貴園の魅力を伝えるのは可愛いイラストでも派手な演出でもなく、園の特徴や取り組みを綴った文章であり、元気に遊ぶ園児や施設設備の写真。
園のことを知り尽くしている先生方にしか作り出せないものです。
書き方のコツ
具体的に書く
例えばこんな文章があるとします。
豊かな自然のなかで子どもたちが伸び伸びと成長することができます。
自然のなかで過ごせる環境は魅力的です。しかし、同じように自然と触れ合えることを謳っている幼稚園や保育園はたくさんあり、同じような文章で紹介すると印象が薄れてしまい伝わる魅力も半減です。
例文だと「豊かな」や「伸び伸びと」は、魅力を紹介する上では少し曖昧です。
「豊かな自然とは具体的にどのようなものか」「伸び伸びと成長するとは具体的にどのような成長なのか」を書くと、より魅力が伝わる文章になります。
〇〇幼稚園の園庭は四季で違った顔を見せます。
春は満開の桜が子どもたちの新生活を迎え入れ、夏は子どもたちと花壇のアサガオに水やりをして成長を見守ります。
秋になると、園庭で拾える落ち葉やどんぐり、松ぼっくりが子どもたちの工作の材料として想像力を育てるお手伝い。
子どもたちは四季折々の植物と触れ合うことで、季節の移り変わりや命の大切さを学ぶことができます。
例えば、このように「四季」にフォーカスして具体的に書いてみます。
入園後に子どもがどんな一年を過ごすのか、想像しやすくなったと思いませんか?
曖昧な表現になっていないかチェック!
「さまざまな」「たくさんの」「豊かな」など、曖昧な表現をしている文章があったら「それってどんな?」と考えてみるだけで、園の魅力を再確認する機会にもなります。
箇条書きにしてみる
具体的に書いてみることを紹介しましたが、具体的に書き始めるとどうしてもダラダラと書いてしまい、いつの間にか長文になってしまうことがあると思います。
〇〇幼稚園では子育て支援として、満2歳児のお子様を対象に毎週木曜日にふれあい広場を実施しています。
親子で一緒に体を動かせる体操やリトミック、保育教諭へのお悩み相談、ママカフェなど様々なメニューをご用意しています。
入園前の幼児を持つ家庭では、近所に同年代の遊び相手がいない、トイレが心配で公園デビューもまだできない、同じ悩みを持つお母さんたちと情報交換したい、などたくさんのお悩みがあるかと思います。
そのようなお母さん、お父さんのお悩みを解決できる場をご用意しておりますので、ぜひ一度ご参加ください。
これでも内容が伝わらないことはないけど、ちょっと読むのを躊躇ってしまいますね……。文字量も多いですし、ひとつの文章のなかでいくつものことを説明してしまっています。
そんなときには、箇条書きにしてみると良いかもしれません。
〇〇幼稚園では子育て支援として、満2歳児のお子様を対象に毎週木曜日にふれあい広場を実施しています。
▼こんな方にオススメ
・近所に同年代の遊び相手がいない
・トイレが心配で公園デビューできない
・同じ悩みを持つお母さんと情報共有したい
▼メニュー
・親子で一緒に体を動かせる体操
・リトミック
・保育教諭へのお悩み相談
・ママカフェ
入園前の幼児を持つご家庭の、お悩みを解決できる場をご用意しておりますので、ぜひ一度ご参加ください。
いかがでしょう。こちらのほうがひと目見てスッキリしている分、読み進めやすいし内容が頭に残りやすいと思います。
ダラダラと書いてしまったら箇条書きにしてみる。
読点(「、」)が多用されていたら箇条書きにする余地あり!
むやみに色を使わない
こちらは文章の書き方というよりは、読みやすさを心がける上での注意点です。
たまに、園のホームページでこのようになっている文章を見かけます。
〇〇幼稚園では子育て支援として、満2歳児のお子様を対象に毎週木曜日にふれあい広場を実施しています。
▼日時
2020年7月16日(木)
▼場所
〇〇幼稚園お遊戯室
▼こんな方にオススメ
・近所に同年代の遊び相手がいない
・トイレが心配で公園デビューできない
▼メニュー
・親子で一緒に体を動かせる体操
当日はかならず動きやすい格好で上靴をご持参ください。
カラフルですね。
カラフルは一見、園のホームページらしく感じて良いと感じてしまうかもしれませんが、実は読み手にとっては重要なところがわかりにくくて読みにくい文章と感じてしまうのです。
ホームページでは「書いた人がどう見せたいか」よりも「読む人がどう読みたいか」のほうが重要なので、読む人がどのような気持ちで、どんなことを知りたくてその文章を読むのかを考えてみましょう。
例えば、保護者の気持ちになって上の例文を読んだとき、一番読み飛ばしたくない文は「当日はかならず動きやすい格好で上靴をご持参ください。」だと想像できます。
日時や場所も重要かと思いますが、強調しなくても保護者が参加する基準として注意深く読んでくれるので、それよりも忘れてしまうと当日に支障が出てしまう持ち物を強調したほうがよいでしょう。
上の例文でも、赤字になってすでに強調されているように見えますが、他の部分でも赤を多用していたり、青や緑などの別の色も混ざっているため、あまり印象に残りません。
〇〇幼稚園では子育て支援として、満2歳児のお子様を対象に毎週木曜日にふれあい広場を実施しています。
▼日時
2020年7月16日(木)
▼場所
〇〇幼稚園お遊戯室
▼こんな方にオススメ
・近所に同年代の遊び相手がいない
・トイレが心配で公園デビューできない
▼メニュー
・親子で一緒に体を動かせる体操
当日はかならず動きやすい格好で上靴をご持参ください。
カラフルさはなくなりましたが、その分、重要なところに目が留まるようになりました。
このように、むやみに色を多用しないことで、読む人が理解しやすい文章にすることができます。
文字の色は基本、黒ともう1色!
あとは文字の太さや大きさで強弱をつけることを意識しましょう。
声に出して読んでみる
今回、最後にご紹介するのは書いた文章を「声に出して読んでみる」です。
ちょっとした文章でも、書き終わったら声に出して読んでみましょう。
誤字脱字やわかりにくい表現、ダラダラとした文章になっていることなど、書いているときには気にならなかったことが発見でき、推敲する機会になります。
まとめ
本日ご紹介したのは、文章を良くする方法の中でもほんの一部ですが、少し意識をするだけでも文章はどんどん上達していくと思います。
小さなことですが積み重ねていくことで、保護者からの印象は大きく変わっていきます。
ホームページを読んだ保護者からの好感度がUPするよう、この記事に書かれていることを実践してみてください!
大ボリュームの記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。